搭載機能が増えても車体重量を増加させないワザ ――「安全性」と「快適性」を低コストで実現する一つの解決策「LIN」
● LINスレーブ・ノードとモータは一体化する方向へ
LINを採用したドア・ミラーを写真4に示します.また,このミラーを実現するための回路を図7に示します.ハードウェアの構成は,以下のとおりです.
- 8ビット・マイコン
- LINトランシーバ
- 電圧レギュレータ:マイクロコントローラへの5.0V供給,ホール・センサへの電圧供給
- モータ・ドライバ:X軸駆動用,Y軸駆動用,格納(フォルド)用
- ハイサイド・スイッチ注7:方向指示器用
- ホール・センサ(モータの回転方向と回転数を検出)用入力ポート
- ウォッチドッグ・タイマ
- 各種保護回路:過電圧,過電流,過温度,短絡,ロード・ダンプ,ESD(electrostatic discharge;静電気放電)などの対策用
ここでたいせつなことは,LINのスレーブ機能がアクチュエータやセンサと一体化の方向へ進んでいるということです.
注7;ハイサイド・スイッチとは,ランプをつけるときの回路の中でランプの電源側に位置するスイッチのことである.ランプよりグラウンド側に位置するスイッチは「ローサイド・スイッチ」という.
写真4 従来のミラーとLINミラー
LINの採用によってワイヤの本数が削減され,ミラーの小型化にも貢献している.
図7 ハードウェア構造の例
Motorola社の8ビット・マイコン「MM908E625」を利用してX軸モータやY軸モータ,格納モータなどの機能を制御する例.本マイコンは,モータ・ドライバやLINトランシーバなどを搭載している.