搭載機能が増えても車体重量を増加させないワザ ――「安全性」と「快適性」を低コストで実現する一つの解決策「LIN」
● ドア・ミラーにLINを採用する理由
ここでは,LINのアプリケーションについてドア・ミラーを例にとって説明したいと思います.
運転席から後方を確認する外部のミラーは,当初は規制もあって自動車の前方に付けるフェンダ・ミラーが主流でした.ドア・ミラーが解禁になってからは,自動車のデザイン面の理由からか,タクシーを除いてドア・ミラーが主流です.最近,欧州メーカの高級車を中心に,このドア・ミラーに以下のようなさまざまな機能が付加されています.
- モータによるミラーのX-Y方向の調整と調整位置の記憶
- モータによるミラーの格納
- (くもり防止用の)ヒータ
- フラッシャ(方向指示器)の付加
- 防眩ミラー
- CCDカメラ
ドア・ミラーの機能を制御しているECUは,ダッシュ・ボードの下に設置されています.各機能(ノード)とECUはワイヤで接続することになります.機能が増加した結果,ワイヤの本数が増加し,ドアとミラーをつなぐヒンジの穴にワイヤが通らないという問題が出てきています.これを解決できるのがLINです.