組み込みソフトウェア・テスト・クライシスの「傾向と対策」 ――「品質」をつねに念頭に置きながらソフトウェアを開発する

杉浦英樹

tag: 組み込み

技術解説 2004年3月16日

●○● Column ●○●
◆製品開発とコミュニケーション◆

 組み込みシステムの開発は,以前と比べて複雑で大規模になっています.このような状況で新規技術を導入するには,関係者の協力をいかに得るかが重要です.ソフトウェア,ハードウェアといった垣根どころか,社外のスタッフの協力も必要になります.逆に言えば,たとえ専門知識や専門能力を持っていたとしても,ひとりよがりでは開発できないわけです.

 例えば,あるシステムを開発する際に,効率化や確実性を目指して,ある開発手法を導入したとしましょう.開発の初期にその手法を効果的に修得するには,コンサルタントや専門家の協力が欠かせません.開発環境も重要なので開発ツール・ベンダの協力も必要です.場合によっては,社外の関係者と協業するために開発環境を内製する必要があるかもしれません.もちろん,社内については説得を繰り返し,必要な予算を確保しなければ,大きな目標を達成できません.

 社内外の協力を得るには,自分たちのやろうとしていることに相手が協力することで,相手にもメリットが生まれることを説明できなければなりません.相手の立場でこちらの要求を見る冷静な目と,そのときに相手にとってプラスになることを訴えられるだけの分析力やプレゼンテーション能力が必要です.win-winの関係を作ることができれば,新規技術による製品開発を加速できるわけです.

 組み込みシステムは今後もさらに複雑化します.品質の確保だけを考えても,必要な作業は増す一方です.このようなときこそ開発者が一丸となって,システムの品質向上を効率良く進めるために新しい技術にチャレンジし,状況を打開していくべきです.そのときに重要なのは,関係者とのコミュニケーションを円滑に進める姿勢ではないでしょうか.

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