組み込みソフトウェア・テスト・クライシスの「傾向と対策」 ――「品質」をつねに念頭に置きながらソフトウェアを開発する
●ソフト開発現場が陥っているジレンマ
昨今は,組み込みソフトウェアの欠陥が原因で最終製品の回収や交換が発生しており,ソフトウェアの品質の問題が取りざたされています.実際のところ,製品開発の現場では以下のような状況が繰り返されています.
- ソフトウェアの制御仕様が決まらないため,機能の実装が計画どおりに進まない
- 実装する機能が増加し,機能の実装が不完全なままテストを開始せざるをえない
- テストを実施したときにソフトウェア品質の問題が発生し,テストが先に進まない
- テストを先に進めるために打った手が新たな要求や制約となって,機能の実装が先に進まない
- 機能の導入が遅れ,当初の製品化のスケジュールを守れない
- 製品の市場投入時期を優先させて,一部の機能が欠如したまま市場に製品を出荷する
- 品質確認が遅れ,製品の市場投入後に市場で問題が発覚する
こうした八方ふさがりの状況で,ソフトウェア開発者が最終成果物である製品ソフトウェアの品質を向上させるにはどうすればよいのでしょうか.そもそも「ソフトウェアの品質」はどうやって測定すればよいのでしょうか.