組み込みソフトウェア・テスト・クライシスの「傾向と対策」 ――「品質」をつねに念頭に置きながらソフトウェアを開発する
●設計内容からテスト項目を抽出する「結合テスト」
ソフトウェアの設計内容からテスト項目を抽出し,品質の確認を行うことを「結合テスト」と呼びます.
要求の大項目から小項目,実現手段へとブレークダウンしていく過程で,設計内容が徐々に見えてきます.ソフトウェアの設計内容からテスト設計を考えるとき,異なる要求内容でも同一の実現手段で設計されていることが多々あることに気づくと思います.
要求の実現手段(設計内容)に着目して,その実現手段の妥当性をどのように確認するのかを示したものがソフトウェア設計に対するテストということになります.ここでのテスト設計の内容は,要求の項目数とは無関係です.ソフトウェア開発者は設計内容を熟知しているので,ソフトウェアの構成や構造を利用して,的を絞ったテスト設計を行うことができます.
結合テストのテスト実装では,プログラムの分岐条件や使用している変数のデータ型に着目する境界値分析法などの考えかたを取り込んで,効率的なテストを実施します.