480Mbpsでデータを転送するUSB2.0のプリント基板設計 ――In-System Design社が示す設計ガイドライン
●USBデータ信号の配線のための基本ルール
12Mbps のデータ転送速度を持つUSB1.1に比べて,480Mbpsでデータ転送を行うUSB2.0のプリント基板設計がはるかに難しく感じられるのはあたりまえのことです.しかし,RF設計の専門家でなくてもD+とD-の配線は行えます.基本的なルールに従えば,優れた信号特性を得るのも困難なことではありません.
最初に理解しなければならないルールは,D+とD-の配線が90Ωの差動インピーダンスを持つように設計することです.4層,1.6mm厚のプリント基板における適切な基板断面を図6に示します.データ信号の階層はプリント基板の表面にあって,次の階層はGNDになります.トレース(信号線)幅とトレース間の寸法も決められています.図6の場合,トレース幅は0.4mmで,トレース間の距離は0.18mmになります.ほかの厚さのプリント基板を使用する場合,適切な断面,トレース幅,トレース間の距離をプリント基板メーカに確認してください.また,でき上がったプリント基板の実際の差動インピーダンスをプリント基板メーカに測定してもらいましょう.
信号の反射やノイズを防ぐためには,データ信号の隣の階層をGNDにします.D+とD-の信号線の下にグラウンド・ベタを置きます.できればGNDの階層を複数に分割しないことをお勧めます.どうしても分割する必要がある場合,せめてD+とD-の線の下に完全なベタ・パターンを置いてください.