480Mbpsでデータを転送するUSB2.0のプリント基板設計 ――In-System Design社が示す設計ガイドライン
アナログ回路に接続する電源やグラウンドは,ディジタル回路の電源やグラウンドから絶縁します.つまり,アナログ回路の電源階層とディジタル回路の電源階層を別々にして,電気的にも絶縁させます.図8にディジタル回路の電源とアナログ電源の絶縁例を示します.第4層にアナログ回路のグラウンド・ベタを置いています.前述のISD-300Aの場合,通常VCCとGNDの各階層に 1μHのインダクタを使います.より安価な方法としては,3Wの抵抗器の使用が挙げられ,ある程度の効果が期待できます.
電源をほかの装置からとる場合,電磁放射ノイズの影響を抑えるために入力電源にフィルタを付ける必要もでてきます.USB対応の回路だけでなく,ほかの機器へも電源を供給するのであれば,その出力のヘッダの近くにもバルクを置く必要があります.
USBの信号のほかに,配線に気をつけなければならない信号はいくつかあります.例えば,ストレージの場合,ATAのデータ信号に終端抵抗を付ける必要があるかもしれません.この抵抗は,できるだけLSIの近くに置くことをお勧めします.クロックの水晶や発振器もそうです.クロックの配線は,当然ほかの高周波の信号線から離れたところを通します.
VBUSもノイズの影響を受けることがあります.ノイズを抑えるためには単純なRCフィルタで十分でしょう.LSIのリセットにもRCフィルタは使えますが,電源の電圧低下時のシステム保護にはリセット用LSIを用いたほうがよいでしょう.