480Mbpsでデータを転送するUSB2.0のプリント基板設計 ――In-System Design社が示す設計ガイドライン

Michael M. Abraham, David Luke

tag: 組み込み 実装

技術解説 2001年12月20日

●トラブル・シューティング

 いくら設計段階で気をつけても,最初に電源を入れたときから正常に動くとはかぎりません.トラブル・シューティングでは経験がいちばんものを言いますが,USBの認定評価テストの結果
をチェックすることも非常にためになります.表1に USBの信号に関するよくあるトラブルと,考えられる原因を示します.うまく動作しないときには,参考にしてみてください.

〔表1〕 USB信号のトラブル・ シューティング

よく起こるトラブル
考えられる原因
ハイスピードまたはフルスピードの送信特性に異常なジッタが見える
  • D+とD-の信号に不正なコモンモード・チョークが付いている
  • プリント基板上でノイズのひどいトレースからジッタが加わる
  • アナログの電源/グラウンド層がディジタルの電源/グラウンド・ラインから十分に絶縁されていない ハイスピードまたはフルスピードの送信
ハイスピードまたはフルスピードの送信でEOPが検知されない
  • コモンモード・チョークによってEOPが崩されている でEOPが検知されない
クロスオーバ電圧が仕様外の値となる
  • D+/D-の信号ラインのインピーダンスが正しくない
  • D+/D-の信号ラインの長さの差が大きすぎる
ハイスピード・チャープの立ち上がりの電圧が高すぎる
  • +3.3VのDC電源が+5VのATA信号などからの漏れによって高くなっている. VCCを3.3Vにクランプする電圧レギュレータを使ったり,VCCとGNDの間に1.5kWの抵抗器を入れたりする
受信側の感度が低すぎる
  • アナログ側の電源ノイズが多すぎる
  • D+/D-の信号ラインの下のグラウンドに隙間がある
  • コモンモード・チョークによって感度が劣化している


Michael M. Abraham
David Luke
米国Cypress Semiconductor社

◆筆者プロフィール◆
Michael M. Abraham.2000年,米国Brigham Young University卒業.コンピュータ工学専攻.同年,In-System Design社に入社.同社は2001年9月Cypress Semiconductor社が買収した.現在,日本や米国の大手電機メーカをはじめ,数多くの顧客のためのプリント基板開発に携わっている.

David Luke.1991年,米国Brigham Young University卒業.電気工学と日本語を専攻.1993年,電気工学修士号を取得.米国Hewlett-Packard社を経て,1995年にIn-System Design社に転職.USB-IFのMass Storage Class Working Groupの会長を務めている.現在7個目のUSB対応LSIの設計を手掛けている.

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