【ETロボコン】JEITAセミナで感じたモデリングの重要性

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先日はJEITAのセミナに参加してきた。
前代未聞の100人ワークショップのアドバイザとしての参加である。

このワークショップは、聞くだけの受動的な参加でなく、解決策などの気づきを能動的に得るものとして企画された。
この前代未聞のワークショップは赤青黄の葉書大の用紙を掲げることで全員参加且つ双方向のコミュニケーションを実現した。さらには同じ机に座る三人の議論も実施してもらい、解決策の選択肢抽出も行った。これにより全員が議論に参加するワークショップを実現した。
このアイデアは素晴らしく、今後のロボコンにおけるワークショップでも利用できるかもしれない。


このセミナでは全員参加のワークショップ前に、基調講演・招待講演、そして2件の事例紹介が行われた。
ETロボコン関係で注目すべきは、IPA/SEC:平山さんの招待講演と、松下電器:南光さんの事例紹介である。

SECの平山さんは「組込み分野へのソフトウェアエンジニアリングの活用法」というタイトルでの講演である。モデリングや形式検証などの技術を、どのように導入・活用すべきかを考えさせる内容であった。なかでも私が気に入った表現は、フォーマルでなくセミフォーマルという表現であり、仕様書や設計書を形式手法で表現するのではなく、目次や書くべき内容を組織で標準化し、設計効率やレビュー効率を高め、生産性や品質の向上に貢献するというもの。(正確な表現でないので、詳細は後々公開されるであろう平山さんの講演資料を参照願う)

松下電器の南光さんは「モデル駆動型開発の導入による生産性向上の事例」として、MDDの導入背景、導入手順や効果・課題などを報告してくれた。松下電器のような大手企業だからできるのだ!!と言われそうな事例であるが、やはり推進者の想いとスキルが重要であると思う。生産性などの向上は数値的に語られていたが、そこばかり気になる人も多いかもしれない。しかし本質は、開発スタイルの転換であると感じた。今後、日本のメーカがどのような競争優位を、どのような価値を、どのようなスタイルで提供していくべきかを考えさせる事例である。開発現場では製品のライフサイクル短縮化、開発期間の短縮化、グローバルな市場と開発体制などが押し迫っている。そんな中、我々エンジニアはどのようなスタイルで開発を行うかを考えるべきでいい事例だった。

いよいよETロボコン地区大会、すでに7月に開催済みの東海地区以外の4地区大会が始まる。4週連続という怒涛の大会開催ラッシュである。参加チームのメンバは準備に忙しいだろう。地区および本部の実行委員会も大忙しである。
この忙しさが我々のスキルとなり、モデリングが必須となる開発スタイルにおいて活躍できるエンジニアが増えてほしい。その時には、大活躍しているエンジニアが、ETロボコンで学んだと言ってくれていれば、我々実行委員会としてこの忙しさが報われるのかもしれない。

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