大容量ストレージを使いやすくするUSB 3.0 ――使い慣れたUSBの転送速度が5Gbpsに向上

石井 潤一郎

●開発ツールは,まずIPコアと計測器から

 仕様書の策定が終わり,ドキュメントの入手が可能になりました.次は,USB 3.0システムの開発に必要なツールにはどのようなものがあるのか,それを入手するにはどのくらいのコストがかかるのか,などの試算を行うことになります.

 とはいえ,正式に公衆の面前に姿を現したばかりのUSB 3.0ですから,残念ながら開発ツールの選択肢はまだ多くありません.内容や機能は,今後,順次充実していくものと思われます.

 参考までに,SuperSpeed USB Developer Conference のテクノロジ・ショーケース(併設展示会)に参加していた企業の展示から,幾つかピックアップして紹介します.純粋な「開発ツール」を用意した例はまだ少なく,先行開発を進めるユーザに採用してもらおうということで,USB 3.0ホスト&デバイス・コントローラIPコアのベンダや,PCI ExpressとSerial ATAの物理層測定で実績のあるディジタル・オシロスコープ・ベンダ,高速シリアル・プロトコル解析で実績をもつプロトコル・アナライザ・ベンダなどが製品を展示していました.

1) IPベンダ

 Denali Software社Fresco Logic社nSys Design Systems社PLDA社Synopsys社などがデモンストレーションを行いました.詳細については,各ベンダのWebサイトをご覧ください.

2) ディジタル・オシロスコープ・ベンダ

 Agilent Technology社Tektronix社などがデモンストレーションを行いました.詳細については,各ベンダのWebサイトをご覧ください.

3) プロトコル・アナライザ・ベンダ

 Lecroy社は,同社のプロトコル解析ソフトウェアである「CATC Trace」と組みあわせて利用するUSB 3.0プロトコル・アナライザ「Voyager M3」を展示しました.プロトコル解析機能に加えて,プロトコル・エキササイザ機能を搭載しており,これによりSuperSpeed USBホストの信号の振る舞いを再現できます.2009年半ばの提供が予定されている周辺機器開発キット(PDK:Peripheral Development Kit)がリリースされるよりも早く,USB 3.0機器の試験や評価を行うことができます.

 Voyager M3を利用すると,チップ間で受け渡す信号のプロトコル解析も可能で,オプションのSMAコネクタ・ケーブル・キットを使うことによりワイヤリング・タップによるプロトコル解析を進めることができます.内蔵記録バッファ・サイズは4Gバイトです.

 Voyager M3については,「USB 3.0レディ・モデル」と呼ぶ,意図的にUSB 3.0バス・トラフィック記録機能を無効化した機種を用意しています.当初はUSB 2.0のプロトコル・アナライザとして利用し,USB 3.0機器の開発が始まった時点でソフトウェア・アップグレードにてUSB 3.0バス・トラフィック記録機能を有効にできます.

4) 半導体メーカ


 ST-NXP Wireless社などがデモンストレーションを行いました.詳細については,各ベンダのWebサイトをご覧ください.

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