大容量ストレージを使いやすくするUSB 3.0 ――使い慣れたUSBの転送速度が5Gbpsに向上
●初期開発の相互接続性確保を支援するラボを設置
USB 2.0の相互接続性については,「コンプライアンス・テスト」と呼ばれるテスト方法が確立されています(詳細はUSB-IF Compliance Programのページを参照).一方,SuperSpeed USBの相互接続性については,プレゼンテーション資料で以下のように述べられています.
- SuperSpeed USBにおけるコンプライアンスのゴール
- 認証された高品質のSuperSpeed USB製品
- 安定しており,再現性があり,ドキュメントの充実した試験
- ドキュメント化されたテスト手法
- ドキュメント化されたテスト方針とその記述
- いつでも実施できる試験(認証テスト・ハウス)
- USB 2.0コンプライアンス・プログラム環境の再利用
- USBCV(USBコンプライアンス・テスト・ツール)の拡張と再利用
- 現状のコンプライアンス・デバイスであるUSB 2.0互換ホストとハブの試験
- コンプライアンス・デバイス環境の拡張
- USB 3.0互換ホストとハブの試験
- テスト・サービス環境の拡張と再利用
- 試験測定器にかかるコストの最小化
- 可能な限り高価な計測器の利用は避ける
- 最終ゴールはワークショップにおいてすべての最終製品をカバーする試験サービスを提供すること
図6にSuperSpeed USBのコンプライアンス・ロゴを示します.
図6 SuperSpeed USBのコンプライアンス・ロゴ
SuperSpeed USBの相互接続性については,「インターオペラビリティ・ラボ」の発足が予定されています.2009年第1四半期までには業務を開始する予定です.Intel社により運営され,拠点の場所は米国オレゴン州です.この施設を利用すれば,開発システムの初期のデバッグと相互接続性確保についての支援を得ることができます.必要なツールを利用できたり,ほかの製品との相互接続性を確認できたり,専門家の助言が得られたり,といった利点があります.この施設は初期開発者向けに用意されたもので,利用するには事前の予約が必要となります.通常は1日の利用になりますが,希望すれば複数日の利用も可能です.
また,周辺機器開発キット(PDK)のリリースが予定されています.このキットは,早期に周辺機器を開発できるように,ホスト・コントローラとソフトウェアを提供します.予定されているキットの構成は下記のようになります.
- PCI Expressアドイン・カード
- Microsoft社とIntel社から提供される試作版のソフトウェア・プロトコル・スタック
この周辺機器開発キットは,2009年6月にUSB-IFのe-Storeで販売を開始する予定です.販売価格は未定です.USB-IFのメンバであれば電子メールなどでこの開発キットのリリース案内が届くでしょう.非メンバの方はUSB-IFのWebページを注意深く見ておくとよいでしょう.なお,「初回開発キット」という性格上,USB-IFの非メンバの方が簡単に購入できるかどうかは現時点では分かりません.事前に購入条件などを確認することをお勧めします.