大容量ストレージを使いやすくするUSB 3.0 ――使い慣れたUSBの転送速度が5Gbpsに向上

石井 潤一郎

2) コネクタ

 USB 2.0と互換を維持しているとはいえ,データ転送速度が引き上げられた場合のコネクタはどのように定義するのでしょう.


 2007年9月の最初の発表以来,コネクタとして使われるケーブルについて,「形状が完全に変わるのではないか」とか,「コストは高くなるが,光ファイバの導入が検討されているのではないか」などの意見が飛び交っている時期がありました.結論から言うと,ケーブルは従来のツイスト・ペア(より対線)が採用され,光ファイバの採用予定は今のところはありません.

 コネクタについてもUSB 2.0との互換性を維持しつつ,USB 3.0で定義されるデータ転送速度を実現するため,図4のようなユニークなアイデアのコネクタが考案されました.レセプタクルに対する接続可能なプラグを表2に示します.また,コネクタのモールド部分に刻印されるSuperSpeed USBロゴは図5のように定義されています.

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図4 USB 3.0のコネクタ

表2 レセプタクルに対する接続可能なプラグ
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図5 SuperSpeed USBロゴ

 USB 3.0の仕様書ではコネクタ・インターフェースを次のように定義しています.

  • USB 2.0と下位互換であること

  • SuperSpeed USBのデータ転送速度である5Gbpsを実現すること


 既に,USB 3.0仕様に準拠したコネクタとケーブルのサンプルは入手可能になっています.USB 2.0との下位互換を維持しつつ,高速データ転送に耐えうるコネクタとケーブルを用意しなければならないわけですから,この仕様作りはとても大変な作業であったでしょう.なぜならUSBの性格上,リッチでぜい沢なコネクタやケーブルを用意することができないからです.それはすなわち,「コストを上げず」,「USB 2.0互換で」,「5Gbpsの転送レートを確保し」,「フォームファクタのバリエーションを最小にして」,「5Gbpsのシリアル・データ転送で予想されるEMIへの対策を完備し」,「従来のUSB 2.0のように簡単に使える」,というなんとも手厳しい条件を満たさなければならないからです.

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