大容量ストレージを使いやすくするUSB 3.0 ――使い慣れたUSBの転送速度が5Gbpsに向上
● まずは大容量ストレージの市場を狙うUSB 3.0
USB 3.0がねらう主な市場は「ストレージ」であると思われます.USB 3.0はUSB 2.0と下位互換があるので,USB 2.0が占める部分は従来の市場,すなわちHigh Speedモードの機器までで,そこで対応しきれない大容量ストレージの市場をUSB 3.0で補おうという考えでしょう.
さらにPCI Express Gen 2と同等のデータ転送速度をUSBケーブル上で展開できるかどうか,という実験的要素も含まれているのではないかと想像されます.また,うがった見方かもしれませんが,「ExpressCard」そのものを置き換えることをも考えているのではないか,「e-SATA」に真っ向から勝負をかけるのではないか,とも思われます.これらについて,真偽のほどは分かりません.
図1のロードマップに記載されるように,いずれにせよ最初に登場する製品はおそらく独自のデバイス・ドライバを持つWindows Vista対応機器でしょう.2009年のクリスマス商戦を目標に出荷計画が立てられるのではないか,と筆者は想像しています.あと,Apple社の市場とアプリケーションを忘れてはいけないと思います.
図1 USB 3.0に関するロードマップ