携帯型機器向け電源ICの低消費電力技術 ――携帯型機器とともに歩むLDO電圧レギュレータ技術の軌跡

池田亜紀,小林貴司

tag: 組み込み

技術解説 2006年11月21日

 一方,いわゆる電源ICと呼ばれるものは,b)に属します(コラム「電源回路は『壁の花』?」を参照).通常,同じような特性をもった電源ICは数種類あります.必要な特性を備え,自己消費電力の小さい電源ICを選ぶことが,低消費電力設計の一つの方針となります.

 では低消費電力設計のために,単純に,カタログ上の消費電力値のもっとも小さい電源ICを選択すればよいのでしょうか? 例えば,基準電圧源のように一定の電圧と電流だけが要求されるような部分では,このような選択で問題ないでしょう.しかし,一般には上述のメイン・デバイスで消費される電流は大きく変動することが少なくありません.これを安定動作させるために,負荷過渡応答特性注1に優れたLDO(low drop-out)注2と呼ばれる電圧レギュレータが選択されます.

 LDOはその要求特性を実現するために,IC内部の回路(アンプなど)を高速に動作させる必要があります.このため,一般に,通常の電圧レギュレータよりも自己消費電力が大きくなっています.

 注1;電源ICの負荷電流が急激に変化したときにオーバシュート/アンダシュートの電圧幅や変動時間を小さく抑え,一定の出力電圧を維持させることができる特性.
 注2;もともとの意味は,「入出力電圧差が小さい(low drop-out)電圧レギュレータ」だが,リプル除去率や過渡応答特性が優れていることも要求される.

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