メカトロ・システム機器の進化には分散処理が欠かせない ――ロボットに学ぶ分散処理の基本概念と課題

羅 志偉,平野慎也

tag: 組み込み

技術解説 2006年5月11日

3.ロボットの「分散処理」とは何か?

 それでは,ロボットの「分散処理」とは何を目ざしているのでしょうか.ロボットの分散処理は大きく分けて次の二つに分類できます.

a) 1台のロボットにおける分散処理
b) 複数台のロボットにおける分散処理

 また,一般的にソフトウェアの分散化やハードウェアの分散化,タスクの分散化のように分けることもできます.

 b) については,たいへん内容が豊富ですので,参考文献(4)に譲ります.ここではおもに1台のロボットにおける分散処理を中心に議論していきたいと思います.

● なぜ分散処理が求められているのか

 そもそも,これからのロボットにとってなぜ分散処理が求められているのでしょうか.どういった分散処理の構成が考えられるのか,また,分散処理によって何のメリットがあるのでしょうか.これらについて考察していきましょう.

 これからのロボットには,より複雑な作業環境下で,多種多様な情報を収集して実時間で認識し,高い自律性を持って多様性に富んだ動作を柔軟に実現できることが期待されます.中でも実時間性の確保はもっとも重要で,多種多様な情報の収集と処理,多くの関節の制御,環境に応じた多様な動作の計画と制御などの要求を同時に満たすことを考えると,自然に「分散処理」技術にたどり着きます.いや,唯一のアプローチであるのかもしれません.

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