アーキテクチャの視点でみたARMコアの変遷と動向 ――LSI設計者は「ファミリ」に,ソフト開発者は「アーキテクチャ」に注目

M.P.I

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技術解説 2006年4月17日

 また,ARMファミリでは過去の世代のプロセッサも適材適所で使われ続けています.複数の世代が並行に応用され,共存しています.ARM11ベースの製品が出荷される一方で,いまだにARM7が現役として新たな製品に応用されているのです.新世代の登場とともに過去の世代が急速に廃(すた)れたり,ひどい場合にはIPベンダそのものが(新世代の拡販などのため)みずからの過去の世代の製品を積極的にフェーズアウトさせるようなケースもあると,時折聞きます.これに対して英国ARM社は,古いファミリに対する保守や設計手法の更新対応もきちんと継続してきています.その結果,現状,世代の異なる非常に多くの種類のコアが並存し,用途に応じて使い分けられています(図2)

 本稿では,まず,ARM各ファミリに共通する特徴を簡単にまとめた後,現存の"ARM"という名称を冠する多様なコアの理解のために,「ファミリ」と「アーキテクチャ」と呼ぶARM特有の概念を説明します.なお,ここではARM7登場以降のARMアーキテクチャの変遷を扱うことにします.なぜなら,現在市場に存在する多様なARMベースの製品を理解しようとする場合,とりあえずARM7以降,ARM11までの話がわかっていれば十分だからです.ARM6までの歴史については,コラム「ARM7前史」に簡単にまとめておきます.また,これから登場してくるであろう新世代のCortexについても,まだ全ぼうは明らかではないものの触れておきます.

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図2 ARMは複数の世代のコアが併存して使われている
現状,世代の異なる非常に多くの種類のコアが並存し,用途に応じて使い分けられている.

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