アーキテクチャの視点でみたARMコアの変遷と動向 ――LSI設計者は「ファミリ」に,ソフト開発者は「アーキテクチャ」に注目

M.P.I

tag: 組み込み

技術解説 2006年4月17日

4) V6アーキテクチャ

 V5TEJに前述のメディア拡張機能を追加したものがV6アーキテクチャです.これは,32ビット幅を16ビット・オペランド×2個,もしくは8ビット・オペランド×4個とみなすSIMD拡張です.ARM11ファミリに適用されました.じつはこのV6の段階でThumb2命令セットも登場しているのですが,この時点ではあくまでもオプション機能の扱いでした.V6の段階では,従来のARM命令セット+Thumb命令セットの混在使用が主流となっています.

5) V7アーキテクチャ

 V7は,Cortexファミリで登場した新世代のアーキテクチャです.Thumb2命令の採用がV7アーキテクチャの共通部分です.Thumb2の採用により,従来わずらわしかったARM命令とThumb命令をコンテキストで切り替える手法と決別できました.ただし,V7対応であるCortexファミリの中でも,従来のARM(Thumb)命令セットの使用も可能でアーキテクチャ面の継承性の高いハイエンドのCortex-Aと,おそらく軽量化のためにThumb2に絞ってしまい,従来とは断絶のあるCortex-Mでは,ほとんど別のアーキテクチャと言うべきではないかと思います(ARM社はV7A,V7Mと呼んでいるが,その差は大きい).

 また,Cortex-A系では,NEONという名で128ビット幅のSIMD命令をサポートするようになり,演算能力は格段に進歩しています(ARM11ではSIMDといいながら,32ビット幅にとどまっていた).

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日