センサのためのマイコンを選ぶ ──センサ利用のノウハウをファームウェアとして提供
本稿では,センサと合わせて使う4ビット・マイコンを利用した温度・湿度計測を解説する.アナログ値をディジタル値に変換する際に,マイコンに内蔵した周波数カウンタを利用しており,消費電力を抑えている.また,サーミスタの抵抗値を計測する際に,測定誤差を排除できるようにくふうしている. (編集部)
センサ素子は,その名(sense;感じる,感知する)の示すとおり人間の五感に相当する電子部品です.国内で最初にマイクロスイッチが開発されたのは1940年代ごろですが,それ以降,多種多様なセンサ素子が開発されてきています.
現在,ディジタル化の急激な進展やマルチメディア技術の進歩,無線通信やインターネットの発展といった社会生活の変化により,これまでセンサ素子とは無縁だった応用分野でもセンサ素子に対する需要が高まりつつあります.具体的には,物流,セキュリティ,電子商取引,ヘルス・ケア,省エネルギー,機器の遠隔制御といった応用分野です(表1).
応用分野
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使用センサ
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物流 | 温度,湿度 |
セキュリティ | 位置,時刻,衝撃 |
電子商取引 | 画像,時刻 |
ヘルス・ケア | 血圧,脈波,温度 |
省エネルギー | 照度,温度 |
機器の遠隔制御 | 電流,電圧,温度 |