センサのためのマイコンを選ぶ ──センサ利用のノウハウをファームウェアとして提供

三好 彰, 丸山久則

tag: 組み込み

技術解説 2004年10月 4日

● 温度計測に使用するハードウェアを選ぶ

 温度センサ注1は,温度という物理量を電圧や抵抗値などに変換します.このアナログ・データをディジタル・データに変換し,さらにそのデータを人間がわかる数値(25.4℃など)に換算します.つまり,温度を計測するには,センサ素子,アナログ値をディジタル値に変換する回路,計算機(マイコン)という三つのハードウェアが介在します.ここでは,これらのハードウェアについて考えてみます.

1) センサ素子

 本事例では,センサ素子としてサーミスタ(大泉製作所 製153-103-88013)を使用しました.通常,サーミスタというと,負の温度係数を持つNTC(negative temperature coefficient)サーミスタを指します.NTCサーミスタの多くは,Mn(マンガン),Ni(ニッケル),Co(コバルト),Fe(鉄),Cu(銅)などの金属酸化物を焼結した半導体で作られています.温度変化に対する抵抗値変化の感度が高いことや,形状・抵抗値の自由度が高く電気的に処理しやすいなどの特性により,温度計測用のセンサ素子として大量に使用されています.

2) ディジタル変換回路とマイコン

 センサ素子の出力は,抵抗,電圧,電流,周波数などさまざまです.それらを必要に応じて増幅し,ディジタル値に変換することによって,計測データとして利用できるようになります.ディジタル値のフルスケールがnビットの2進数(nけたの2進数)のとき,「変換の分解能がnビットである」と言います.

 アナログ値をディジタル値に変換する代表的な方法には,A-Dコンバータと周波数カウンタがあります(コラム「A-Dコンバータと周波数カウンタ」を参照).

 本事例では,抵抗-周波数変換回路と周波数カウンタを内蔵した4ビット・マイコン(セイコーエプソン製 S1C63658)を用います.変換の分解能は最大20ビットまで設定できますが,本事例ではこのうちの16ビットを使用します.

 注1;本稿では,計測システム全体を指すことばとして「センサ」を使用し,部品としてのセンサを「センサ素子」と表記して使い分けている.

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