センサのためのマイコンを選ぶ ──センサ利用のノウハウをファームウェアとして提供

三好 彰, 丸山久則

tag: 組み込み

技術解説 2004年10月 4日

1.温度計測

 温度とは,熱エネルギーの量を示す変数であり,熱現象ばかりでなく多くの物理現象を説明するもっとも重要な情報の一つです.温度制御や温度測定だけでなく,温度変化による補正を加えるために湿度や圧力の計測にも利用されています.

 温度を計測する手段としては,起電力を利用するもの(熱電対,焦電型赤外線センサ,IC化温度センサ),抵抗変化を利用するもの(サーミスタ,白金測温抵抗),熱膨張を利用するもの(水銀温度計),磁気変化を利用するもの(感温フェライト)などがあります.表3に,現在,一般に使われている代表的な温度センサの方式を示します.

 熱電対は異種金属の接触点に生じる熱起電力を利用したセンサ素子です.E,J,K,Tなどのタイプの熱電対が標準化され,広く利用されています.また,この熱電対を利用して物体表面が発する赤外線を計測することで,非接触で表面温度を測定する,サーモパイルというセンサ素子も実用化されています.

 白金測温抵抗体は,金属自体の温度変化によって抵抗値が変化する性質を利用したもので,高精度の温度計測に適しています.サーミスタは複数の種類の金属酸化物を焼結した抵抗体で,ラジアル型やチップ型が実用化されています.

表3 代表的な温度センサ

呼 称
原 理
出力する物理量
計測範囲
特 徴
対 象
レベル変化量
熱電対 異種金属間の熱起電力の差 電圧 50μV/℃程度 広い
(-200~+1200℃など)
標準化されている.高温仕様(1500℃)あり
サーモパイル 赤外線+熱電対 電圧 50μV/℃程度 熱電対と同 非接触温度計測
白金測温抵抗体 Pt(白金)の電気抵抗の変化 抵抗値 1.5Ω/℃(100Ω程度の場合) -200~+850℃ 高精度
サーミスタ Mn(マンガン),Ni(ニッケル),Co(コバルト),Fe(鉄)などの金属酸化物を焼結した抵抗体 抵抗値 -3.5%/℃(10kΩ程度の場合) -100~+300℃程度 安価.チップ型サーミスタは 自動実装,小型化が可能
組み込みキャッチアップ

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