センサのためのマイコンを選ぶ ──センサ利用のノウハウをファームウェアとして提供
● 温度計測と温度換算の2段階で温度センサを実現
温度センサは「温度計測」と「温度換算」の二つの処理によって実現されています.温度計測ではサーミスタと基準容量を用いてCR発振を行います.その発振による電圧レベルの変化をシュミット・トリガ・インバータでカウンタに取り込むことにより,サーミスタの抵抗値を発振周波数に換算し,ディジタル値としてマイコンに取り込みます(図3).逐次比較型などの一般的なA-Dコンバータと比べると変換速度は遅いのですが,消費電流を抑えられます(本事例で計測したところ,変換中の消費電流は数十μA程度だった).また,サーミスタの抵抗値以外の誤差を排除するように回路をくふうしています.
図3 温度計測のCR発振回路
サーミスタと基準抵抗を用いてCR発振を行い,周波数を計測する.基準抵抗を使った場合もサーミスタを使った場合もほかの回路は共通なので,各種の誤差要因を排除することができる.