つながるワイヤレス通信機器の開発手法(8) ――アーキテクチャ設計を行う
3)携帯電話
ワイヤレスLANは通信制御と無線回路までを,Bluetoothの場合は通信制御と無線回路,およびアプリケーション・インターフェース(プロファイル)を実装する必要がある(表1).ワイヤレスLANやBluetoothは製品全体から見ると通信を行う手段の一つであり,それ自身が製品とはなりえない.したがって,必ずパソコンやPDA,そのほかの機器(例えば冷蔵庫や洗濯機)の中に組み込まれて使用される.一方,携帯電話はそれ自体で「携帯電話」という製品になるので,内蔵されるプロセッサはアプリケーションの部分の処理を行う必要がある.
〔表1〕規格化の範囲と製品機能の例
階 層
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携帯
電話 |
Bluetooth
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ワイヤレス
LAN |
内容(例)
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アプリケーション |
○
|
×
|
×
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Webブラウザ メール処理用ソフトウェア アドレス帳 音声処理(フィルタリング,ミュート) リンガ(呼び出し音) モデムなどの外部インターフェース |
通信-アプリケーション・インターフェース |
○
|
○
|
×
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各アプリケーションのインターフェース |
通信制御 |
○
|
○
|
○
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エラー制御 フレームの分解・組み立て処理 通信相手の選択,アドレッシング 呼制御処理 |
無線回路 |
○
|
○
|
○
|
送受信周波数 伝送速度 変調方式 送信出力 |