つながるワイヤレス通信機器の開発手法(8) ――アーキテクチャ設計を行う

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2003年9月30日

 このマルチチップ・モジュールを採用した例として米国KC Technology社のBluetooth用モジュールがある.このモジュールは,1パッケージの中に高周波回路とベースバンド回路の二つのウェハが実装されている.同社は,ベースバンド回路(μPAXの部分)を設計開発し,ベースバンド単体でLSI化している.このベースバンドの部分を共通にして,高周波回路のチップを換えた製品を2種類用意している.一つは「KC6101-C」であり,これは消費電流が小さいが値段が高いタイプである.もう一つは「KC6101-H」で,消費電流は大きいが値段が安いタイプである.このように,マルチチップ・モジュールでは,回路の一部を共通化し,残った部分に異なるチップを利用することで,多様なユーザの要求に対応することができる.バリエーションをそろえる場合でも,新たにLSIを作成するよりはるかに廉価に開発を行うことができる.

 最近はSOCに対抗する技術としてSIP(system in package)ということばが出てきており,ここで説明しているマルチチップ・モジュールは最近ではSIPと呼ばれている.

 また,0.18μm,0.13μmと微細化が進み,マスク代が非常に高価になっているので,一時期ほど気軽にASICを作ることは難しくなっている.そのような場合,既存のASICのウェハと足りない機能のLSIのウェハをマルチチップ・モジュールにすることによって,マスク代が高くなるのを抑えることもできる.

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