0.4mm角RFIDチップ「ミューチップ」の設計技術 ――回路,アンテナ,実装,セキュリティ技術を組み合わせる

宇佐美光雄

tag: 組み込み 半導体 実装

技術解説 2003年6月27日

2 ミューチップの回路構成

 ここでは,本RFIDチップの回路構成,およびアンテナと半導体チップの接続方法などについて説明する.

●受信したマイクロ波エネルギを電源電圧に変換して駆動

 本RFIDチップにはアナログ回路とディジタル回路がコンパクトに詰め込まれており,電池なしで無線の読み取りを行うことができる.回路構成はきわめてシンプルである(図5).整流回路は,アンテナで受信した2.45GHzのマイクロ波のエネルギを直流電源電圧に変換する.本RFIDチップは128ビットの識別番号を格納したROMを内蔵しており,このメモリの内容が10ビットの制御レジスタとクロック回路を利用して1ビットずつ読み取り装置(リーダ)に送信される.このほか,本RFIDチップには,過大な電源電圧の上昇を防止して,CMOSトランジスタの破壊を防ぐ電圧リミッタ回路や,クロック波形を復調するためのクロック回路,回路動作の始まりと終わりを制御するパワーONリセット回路も搭載されている.

 電磁波エネルギを利用して動作するRFIDには,電源用の平滑コンデンサが必須である.従来のRFIDでは500pF~600pFという大容量のコンデンサが利用されていた.一方,本RFIDチップは回路構成がシンプルであるため,平滑コンデンサの容量は100pFという小さな値になっている.

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〔図5〕ミューチップの回路構成
本RFIDチップの回路構成はきわめてシンプルである.整流回路はアンテナからのマイクロ波エネルギを直流電源電圧に変換する.メモリは,128ビットの識別番号を格納したROMにより構成されている.

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