0.4mm角RFIDチップ「ミューチップ」の設計技術 ――回路,アンテナ,実装,セキュリティ技術を組み合わせる

宇佐美光雄

tag: 組み込み 半導体 実装

技術解説 2003年6月27日

●サイズが小さくなると歩留まりが上がる

 図2に示すように,半導体のチップ・サイズを小さくすると,1枚のウェハから取得できるチップの数が増える.さらに,耐欠陥性が改善されて歩留まりの向上が期待できる.

 半導体の歩留まりについては,いろいろな計算式が提案されているが,基本的には離散確率分布であるポアソン分布の式で考えることが多い.図2に示すように,歩留まりは欠陥密度とチップ面積によって決まる.欠陥密度はさまざまな要因で決まるが,一般には装置内外の微小なチリや異物,結晶の欠陥に起因することが多い.ただし,新しい半導体プロセスを立ち上げるときには,この要因が不確定になる場合もある.

 さて,図2の計算式からわかるように,欠陥密度とチップ面積の積で半導体の歩留まりが決定する.そのため,チップ面積が小さければ小さいほど,欠陥の影響を受けにくく,その改善の度合いが指数関数的に向上する.例えば,ウェハ1枚当たりの欠陥の総数は一定であり,1個でも欠陥のあるチップを不良とすれば,おおよそ欠陥の数だけ不良チップが出現する.これは,1枚のウェハから取得できるチップの総数が多ければ多いほど,相対的に良品率(歩留まり)は向上するということである.

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〔図2〕歩留まりの向上
ユビキタス応用の素子は広い範囲で大量に使用されるため,低コスト化は重要な技術課題である.チップ・サイズを小さくすれば,1枚のウェハから多くのチップを取得することができる.さらに,耐欠陥性が改善され,飛躍的な歩留まりの向上を期待できる.

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