UMLを基礎から理解する ――UMLでできること,できないこと
2)コラボレーション図,シーケンス図,状態図
オブジェクト図とよく似ているのが,コラボレーション図(図8)です.コラボレーション図は,オブジェクト図にメッセージとその順番を書き込んだ図です.順番が入るので,動的な図に分類されます.何かまとまったしごとを行うときに,オブジェクトがどのように協調して動くかを表しています.
コラボレーション図を時間軸展開したものがシーケンス図(図9)になります.コラボレーション図とシーケンス図は,複数オブジェクトが特定の目的の下に協調して動くようすを表現します.これに対して,状態図(図10)は一つのオブジェクトが動くようすを表現します.
〔図8〕コラボレーション図
オブジェクト図にメッセージとその順番を書き込んだものがコラボレーション図である.この例では便宜的に,哲学者1に関する部分のみに問題を絞って順番をつけてあるが,並行処理が前提となる組み込みシステムでは,メッセージの順番を規定できず,オブジェクト図と同じような図になってしまう.
〔図9〕シーケンス図
コラボレーション図を時間軸展開したものが,シーケンス図である.複数オブジェクトが特定の目的の下に協調して動くようすを表現する.
〔図10〕状態図状態図は,一つのオブジェクトが動くようすを表現する.