UMLを基礎から理解する ――UMLでできること,できないこと
●UML情報にアクセスしよう
普通,UML入門というと,各種ダイヤグラムについて手取り足取り説明する場合が多いのですが,ここでは,あまりダイヤグラムの詳細を述べませんでした.この意味でのUML入門はすでに多数の書籍が存在していますし,Webサイトで公開されているものもあります.例えば,
「5分で絶対に分かるUML」
http://www.atmarkit.co.jp/fjava/devs/01fivemin/fivemin00.html
「オブジェクト指向モデリング言語UML- 情報処理 VOL.40 NO.1, NO.3より -」
http://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/technical/Jouhoushori-UML/index.html
「連載 初歩のUML」
http://www.atmarkit.co.jp/fjava/rensai/uml01/uml01.html
などがあります(ただし,これらはオブジェクト指向を勉強したいソフトウェア技術者のために書かれているので,ハードウェア技術者やファームウェア技術者の方々には向かないかもしれない).
ここでは,世の中にあふれているUML情報に接する場合に必要になると筆者が思っているUMLの位置付けや,ハードウェアにからむ方向性について解説しました.
UMLをシステム設計に使おうという話は以前からありましたが,ユース・ケースなどのかなり上流の部分だけに限定されるだろうと思われていました.それではたいしておもしろくないので話だけで終わっていましたが,UML
2.0とリアルタイム・プロファイルがそろったので,モデリングについては現実味を帯びてきた感じがします.後は,SystemC用のコンパイラをだれが作るかです注4.C/C++をSystemCに変換することは可能なので,それほど困難ではないでしょう.今年はどのような展開になるのでしょうか.
注4;早速,2002年11月にキャッツがUMLをSystemCに変換するツール「XModelink Version 1.0」を発売した.このツールは,米国Rational Software社のモデリング・ツール「Rational Rose 2001A」と連携して動作する.キャッツのURLは,http://www.zipc.com/.
ふじくら・としゆき
日本ラショナルソフトウェア
◆筆者プロフィール◆
藤倉俊幸.日本ラショナルソフトウェアでRose RealTime,Test RealTimeのサポートを行っている.オブジェクト指向の次は形式仕様記述ではないかと思い,時相論理やプロセス代数の勉強を最近やっている.今年は,山に行かなくても紅葉がきれいだったのがうれしい.その辺のツタまで赤くなって,やればできるじゃないか,と思ってしまった.