つながるワイヤレス通信機器の開発手法(2) ――製品機能を決める
●やはり機能は進化し続けたほうがよい
最後に機能について考えてみる.
その昔,関数電卓というものがあった(もちろん今でもあるが...).電卓を開発するメーカは,その電卓で計算することができる関数の種類をカタログ上で競って,他社製品との差異化を図っていた.20関数,50関数,100関数とその数はどんどん増えていくように見えた.しかし,現在売っている関数電卓で計算できる関数の数はやはり,100関数程度にとどまっている.
「はたして機能というものはなんなのだろう」と考えさせられるときがある.しばらく前から言われていることだが,ことユーザ・インターフェースが重要な製品については,機能がシンプルなほうがよく売れるケースがある.メニューを階層構造にしてふだん使わない機能を見えなくしたり,リモコンにふたをつけてやはり使わない機能を隠したりしている製品もある.
筆者としては,機能はやはり進化するべきであり,どんどん便利になるほうがよいと思う.特に携帯機器についてはそう思う.例えば,最近の携帯型MDプレーヤは液晶や操作ボタン,CPU,メモリを搭載しているので,MDプレーヤで電話をかけてもいいのではないかと思う.
少し話がそれたが,携帯機器の融合,家電機器のネットワーク化,ディジタル化はこれからも進むだろう.それに伴い,これまで考えてもいなかった機能が出てくるだろう.そして,その中核となるのがやはり通信機能であるといえる.