つながるワイヤレス通信機器の開発手法(2) ――製品機能を決める
1.製品を生かすも殺すも機能しだい
製品機能を決定することは,思いのほか難しい.機器に多くの機能を盛り込むと,開発期間は長くなって開発コストがかかる.また,機能を削っていくと,他社との差異化が図れず,売れない製品になる可能性が増える.
では,製品機能とひと言で言うが,どのようなものがあるかを考えてみたい.以下に,製品機能として考えられるものを簡単に挙げてみる.
- コスト
- 消費電流
- 重量,大きさ
- 機能
ほかにもさまざまな要素があると思うが,重要な要素である上記の項目について以下に説明する.
●コストを低く抑えるための三つの指標
製品のコストは,ユーザが購入を決定するうえでもっとも重要なファクタの一つである.もちろん「安かろう,悪かろう」という評判が立つようだとまずいが,今日では各メーカの製品はほぼ同じ品質,同じ機能となり,メーカどうしはコストについてつねに競い合う関係にある.
製品の価格(コスト)を決定する要素としては,図2のように部品単価,製造コスト,販売コストなどがある.
販売コストとは,販売,宣伝にかかわるコストである.新製品の場合,他社のものと比べてどのような点に優位性があるかを説明しなければならないため,通常の製品より多くの販売コストを必要とすることもある.ほとんどの製品は製品原価の数割程度の販売コストをかけている.販売コスト,およびそのほかのコストについての詳細な説明はここでは省略するとして,製造原価は開発側がある程度コントロールできる.
〔図2〕製品価格を決める要素
製品の価格(コスト)を決定する要素としては,部品単価,製造コスト,販売コストなどがある.販売コストとは,販売,宣伝にかかわるコストである.製造コストと開発コストはプロジェクトや製品の性格ごとに大きく異なる.