SiPモジュールとは何か? ――「選択肢の一つ」から「必要不可欠な技術」へ
●ワイヤ・ボンディングどうしの積層には制約がある
次に,SiPの基本構造と対応する市場について説明します.表1に,SiPのパッケージ構造の概要を示します.SiPの構造は,大きく「プレーン型」と「スタック型」の2種類に分類されます.
1)プレーン型SiPの実装方式
プレーン型SiPの実装方式には,ワイヤ・ボンディング方式とフリップチップ方式の2種類があります.
ワイヤ・ボンディング方式の場合,ワイヤ領域が必要となります.このため,実装面積はフリップチップ方式と比べて,やや大きくなります.しかし,従来の組み立て技術をそのまま適用できるため,製造コストが安くなります.
一方,フリップチップ方式の場合,LSIの回路面を基板端子側に実装するため,接続部の距離を最短にすることができます.このため電気的特性では有利になります.また,パッケージもチップ・サイズとほぼ同じ大きさを実現できます.ただし,製造コストはワイヤ・ボンディング方式と比べて,やや割高になります.
〔表1〕SiPの構造
実装方式
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断面図
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特 徴
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プ |
ワイヤ・ボンディング方式 |
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フリップチップ方式 |
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ス
タ ッ ク ( 積 層 ) 型 |
スタックBGA (ワイヤ・ボンディング+ ワイヤ・ボンディング) |
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スタックBGA (フリップチップとワイヤ・ボンディングの併用) |
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