Cベース設計教育の カリキュラム構築から運用まで

三田浩司,柏木治久,藤井隆志

tag: 半導体

技術解説 2002年6月26日

●Cベース設計のさらなる普及に向けて

 教育体制の検討から1年近く,教育のスタートから半年がたちました.入門コースを軌道にのせ,現在は実習コースの立ち上げを進めています.この半年間で入門コースを終了した受講者の数はほぼ目標どおりで,Cベース設計とは何かを理解できる技術者が相当な勢いで増えています.当初のねらいどおり,開発を妨げることなく受講者を増やすことができました.また,EDA整備部門のサポートのうち,初心者教育については,今回の入門コースの受講を勧めることによって,本来のサポートに集中できるようになりました.

 しかし,入門コースの受講者の増加がCベース設計用の社内ツールの使用者数増加に直結しているわけではありません.まだまだ実設計への適用には消極的な技術者が主流です.

 筆者らの最終目的は,実際のプロジェクト(現場)でC言語によるシステム・レベル設計が行われ,ASSP,ASICともに他社と差異化した製品を提供できるようになることです.今後は実習コースとアドバンスト・コースをとおして,現場への適用を前提とした教育体制を構築していきます.その先には実設計への適用のためのプロジェクト・サポートを用意しています(図11)

 アドバンスト・コースでは,受講者がそれぞれの製品設計適用を念頭に自主課題を持ち寄り,教育部門,サポート部門が一体となって,それぞれの受講者のプロジェクトに最適なC言語記述や設計フローを指導していきます.これ以降,実際のプロジェクトへのコンサルティング,要望に応じたサポートを行い,そのプロジェクトにCベース設計を定着させます.

 まだまだゴールは遠いと考えています.しかし,その一方で,Cベース設計へのパラダイム・シフトは多くのLSI技術者にとって避けて通
れない現実です.言語の標準化が進めば普及は一気に進むことでしょう.そのときに遅れを取らないように,さらなる普及に注力していきます.

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〔図11〕 Cベース設計普及ステップ
普及は,教育→トライアル→設計適用の3段階で進める.教育では,入門,実習の2段階に分け,トライアルの段階にくるまでレベル・アップを図る.トライアルでは,教育とサポートの中間的アプローチとしてアドバンスト・コースを設置する.これ以降は,サポート部門によるプロジェクト単位のサポートを行い,部分適用から,本格的な製品適用までをサポートしていく.

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