PLD デバイス・アーキテクトの決断 ――Altera社 ARM-based Excalibur の場合
●要求項目を満たすExcaliburのサブシステム
図3は,ARM-based Excaliburデバイスのプロセッサ・サブシステム(Stripe)のブロック図を示しています.ARM922T CPUコアの動作周波数は最大200MHzであり,性能は210 Dhrystone MIPSに相当します.また,本デバイスはシングルポート/デュアルポートSRAMを備えています.シングルポートSRAMは,クリティカルなコードやデータ・テーブルの保存に使用されます.デバイス内のプログラマブル・ロジック部とのアクセスにはデュアルポートSRAMを使います.これは,プログラマブル・ロジックに実装される回路とCPUの間でデータを共有するリソースで,むだのない構成になっています.シングルポートSRAMとデュアルポートSRAMの容量は,デバイスのサイズに比例し,ローカル・コードおよびデータ保存用により多くのスペースが確保されています.
割り込みコントローラやUART,タイマも備わっています.タイマは汎用タイマとシステム・チェックのためのウォッチドッグ・タイマの二つがあります.内蔵されたSDRAMコントローラは,シングル・データ・レート(SDR)SDRAMまたはダブル・データ・レート(DDR)SDRAMをサポートしています.SDR SDRAMは最大133MHzの,DDR SDRAMは最大266MHzの動作周波数に対応しています.SDRAMの容量は最大512Mバイトです.
CPUコアに組み込まれたトレース・モジュールは,アドレスやデータ,制御信号をモニタします.それから圧縮されたモニタ情報をトレース・ポート・インターフェースを介して外部へ転送することによって,プロセッサ・サブシステムの動作をリアルタイム,かつ最大のバス速度でモニタできます.
〔図3〕ARM-based ExcaliburハードIPプロセッサ・サブシステムのブロック図
ARM-based ExcaliburデバイスにはハードIPのプロセッサ・サブシステムが含まれる.このサブシステムは,デュアルポート/シングルポートSRAM,割り込みコントローラ,SDRAMコントローラ,UART,二つのAHBバス,外部周辺回路をサブシステムにアクセスさせるための手段など,組み込みシステムの設計に使用される回路を幅広く備えている.なお,図中の太い線は複数のスレーブをもつバスを表している.