PLD デバイス・アーキテクトの決断 ――Altera社 ARM-based Excalibur の場合
テスト・デザインを実際のデバイスの中に実装し,メモリ・ブロック・サイズごとに速度の測定を行いました.各メモリ・ブロックは,カスケード接続されたESBで構成されています.図5では,32Kバイトのメモリ・ブロックへのDMAアクセス速度の値で正規化して,測定データを比較しています.予想どおり,ESBで構成されるメモリ・ブロックへのアクセス速度の値で,メモリ・ブロックが大きくなるにつれて低下します.より大きなメモリへのアドレス指定を行うには,より多くのロジック・エレメントを使用する必要があります.上記のような傾向は,PLDが小型のメモリ・ブロックの結合によって大型のメモリ・ブロックを構成することを考えると当然です.
図5から,デバイスのプログラマブル・ロジック部のメモリ・ブロックがハードIPのプロセッサ・サブシステム内のデュアルポートSRAMの半分のサイズであったとしても,ハードIPのプロセッサ・サブシステム上のデュアルポートSRAMのアクセス速度は,デバイスのプログラマブル・ロジック部のみのメモリ・アクセス速度より2.5倍速いことがわかります.
デュアルポートSRAMなどのメモリ・モジュールがハードIPのプロセッサ・サブシステムの一部としてダイに組み込まれていない場合,設計者が使用できるのは,プログラマブル・ロジック部にあるメモリ・モジュールに限られます.ハードIPのプロセッサ・サブシステムのデュアルポートSRAMに近いブロックを作るために,これらのメモリ・モジュールをカスケード接続しても同程度の速度を実現できません.