PLD デバイス・アーキテクトの決断 ――Altera社 ARM-based Excalibur の場合

Roger May,Martin S. Won,Jason C. Chiang

tag: 組み込み 半導体

技術解説 2002年5月23日

 ARM922Tコアは32ビットのRISCプロセッサ「ARM 9TDMI」をベースにしており,その動作周波数は200MHzです(図2).ARM922Tは,ハーバード・アーキテクチャを取り,フェッチ,デコード,実行,メモリ,書き込みを5段のパイプラインで実行します.ARM922Tは,キャッシュ・メモリ,主要なOSに対応したメモリ管理ユニット(MMU),AMBA(Advanced Microcontroller Bus Architecture)準拠のバス・インターフェース,ARMのSOCデバッグ機能「ETM(Embedded Trace Macrocell)9」,JTAG機能を備えています.

 ARM922Tは,8Kバイトの命令キャッシュと8Kバイトのデータ・キャッシュを持っています.命令キャッシュ,データ・キャッシュともに64ウェイ・セット・アソシアティブ・キャッシュです.これらはライトスルーとライトバックに対応しています.また,これらのキャッシュはロック可能で,MMUの許可と変換ルックアサイド・バッファ(TLB:translation look-aside buffer)のチェックにより,命令とデータの整合性が保たれます.MMUには,独立した命令メモリ・ポート用の64エントリTLBとデータ・メモリ・ポート用の64エントリTLBがあり,各種のマッピング・サイズとアクセス許可レベルに対応しています.

 ARM社が開発したAMBAは,SOC設計向けのオンチップ・バス・インターフェース仕様です.AMBAでは,CPUのクロック周波数に同期するAHB(Advanced High-performance Bus)インターフェースが定義されています(編集部注2).また,高性能なバックプレーンと低速な周辺回路との接続を分離するための階層AHBバス構造をサポートします(詳細は後述).そのほか,ARM以外の周辺回路とAMBA/AHBシステムの間のインターフェースをとるためのラッパ(wrapper)を作成できます.

 ARM922TコアのハードIPは検証済みなので,ARM-based ExcaliburのユーザはARMプロセッサ向けのプログラミングに集中できます.ユーザはARMプロセッサそのものの検証について心配する必要がありません.

 編集部注2;AMBA2.0ではAHBのほかに速度を求められない周辺回路向けのAPB(Advanced Peripheral Bus)インターフェースが定義されている.

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〔図2〕ARM922Tコアの内部構造
ARM922Tコアは,ARM9TDMIプロセッサ,命令/データMMU,命令/データ用キャッシュ・メモリ,AMBAバス・インターフェースを内蔵している.また,トレース・モジュール,書き込みデータ・バッファ,ライトバック・ページ・アドレスTAG RAMも備えている.

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