PLD デバイス・アーキテクトの決断　――Altera社　ARM-based Excalibur の場合

　CPUをPLDに組み込むことの最大の利点の一つとして，カスタムの周辺回路を構築できる点が挙げられます．ARMプロセッサ・コアの周辺回路は，ハードIPのプロセッサ・サブシステム内の周辺回路か，カスタムメイドの周辺回路かを問わず，メモリ・マップのどこにでも配置できます．ハードIPのプロセッサ・サブシステムの外にある周辺回路（デバイス内部，外部の両方を含む）からの割り込み要求を処理するために，ハードIPのプロセッサ・サブシステム内の割り込みコントローラは，プログラマブル・ロジック部から最大六つの割り込み要求と，デバイスの外からもう一つの割り込みを受け入れることができます．また，必要なすべての割り込みを処理するため，プログラマブル・ロジック部にカスタムの割り込みコントローラを構築するという方法もあります．

　ARM-based Excaliburデバイスの中に，SDRAMコントローラ，トレース・ポート，EBI，UARTなど，外部と通信する専用の周辺回路が存在する場合，I/Oピンの用途は各機能に固定されます．しかし，すべてのアプリケーションに対してそれらの機能が必要になるわけではないので，代わりにデバイスのプログラマブル・ロジック部を使用することによって，I/Oピンの用途をユーザが定義することもできます．

Roger May
Martin S. Won
Jason C.Chiang
米国Altera社

◆著者プロフィール◆
Roger May．Altera社のExcalibur hard core embedded processor productのHardware System Architect．米国Motorola社や米国Pilkington Micro-Electronics社のFPGAアーキテクチャを設計した経験を持つ．現在はAltera社のEuropean Technology Centreで活動中．英国Sheffield Universityの電気電子工学部卒業．

Martin S. Won．Altera社のSenior Member of Technical Staff．10年にわたってプログラマブル・ロジックのディジタル・システム設計に従事．米国University of California, Santa Barbaraにて電気工学およびコンピュータ工学の学士号を取得．

Jason C. Chiang．Altera社のARM-based Excalibur製品のProduct Marketing Manager．マイクロプロセッサ，マイクロコントローラ業界で10年以上の経験を持つ．米国California Polytechnic State University（Cal Poly）, San Luis Obispoで電子工学の学士号を取得．