PLD デバイス・アーキテクトの決断 ――Altera社 ARM-based Excalibur の場合

Roger May,Martin S. Won,Jason C. Chiang

tag: 組み込み 半導体

技術解説 2002年5月23日

●プロセッサ・サブシステムに要求されること

 CPUを搭載したディジタル・システムでは,つねにCPUは,メモリやインターフェース,そのほかの周辺回路の各機能のホストとしての役割を果たします.そのため,CPUを内蔵することによって自社製品の集積度を高めようとするPLDベンダは,付加機能をチップ上にハードIPのプロセッサ・サブシステムとして組み込むことの是非を検討する必要があります.

 PLDにハードIPのプロセッサ・サブシステムを組み込むことの利点を考えるためには,そのサブシステムの要素を決定することが先決です.CPUに依存するこれらのシステムの大部分は,CPUを補完するための共通の機能を備えています.例えば,RAMやROMなどのメモリやメモリ・コントローラ,タイマ,UARTのような標準通信インターフェースといった機能が挙げられます.また,デュアルポートSRAMも上述の例に加えられます.なぜならデュアルポートSRAMを構成するためのメモリ・ブロックが,すでに高集積PLDの重要な機能になっているからです.サブシステム上の複数の周辺回路を管理するために,割り込みコントローラは当然組み込むべきでしょう.これは,周辺回路の分離や優先順位付けのために必要となります.また,CPUは組み込みソフトウェアのアプリケーション・コードを実行しなくてはならないため,簡単にシステムの検証を行えるように,堅牢なハードウェア・デバッグ機能とトレース・モジュールも追加するべきでしょう.

 以上のようなCPUと周辺回路の効率的な通信を実現するために,サブシステムは専用の配線リソースとデータ管理プロトコルを備えるバス構造を持つべきです.このようなバス構造を使って,プログラマブル・ロジック部の機能との接続や,デバイス外部の周辺回路とのインターフェースを行う必要があります.また,このプロセッサ・サブシステムはPLDの一部なので,CPUがプログラマブル・ロジック部のコンフィグレーションを管理したり制御できるコンフィグレーション回路を追加したほうが合理的です.そうすることにより,例えばシステム要求に応じてデバイスのコンフィグレーションを動的に変更するような構成も可能になります.

 ARM-based Excaliburは,組み込みシステムの開発者向けであることから,高可用性,高信頼性のリアルタイムOS(RTOS)の能力を十分に引き出せるように設計されています.また,一般的にはCPUコアの一部であるMMUだけでなく,リアルタイムOSのサポートに必要な大半の機能が用意されています.例えば,UARTやタイマ,割り込みコントローラなどが含まれます.このような回路を搭載しているので,プログラマブル・ロジック部に各種の回路を実装しなくてもリアルタイムOSを実行できます.

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