Springboard Development Kit ――開発ツール・レビュー
サンプル・アプリケーション Blinker
まずは付属しているサンプル(Blinker)に従い,開発キットを使った設計の流れを具体的に解説します.
これは,Visorの画面上のボタンをタップすることでボード上のLEDをON/OFFするアプリケーションです.
SpringboardのI/Oは,Visorのメモリ空間に割り当てられています.二つのチップ・セレクト信号が用意されており,
CS0:$28000000~$28FFFFFF
CS1:$29000000~$29FFFFFF
にそれぞれ割り当てられています.LED表示ルーチンは,$29000002に1を書き込むと点灯,0を書き込むと消灯する仕様とします.
●Complex PLD用回路の設計
最初に,Springboard上にあるComplex PLD用回路の設計を行います.
Complex PLD設計ツールは,Xilinx社の「WebPACK ISE」を使います.開発キットの中に同梱されていますが,最新版がXilinx社のホームページから入手できますので,そちらを利用したほうがよいでしょう.
準備として,設計ツールをパソコンにインストールします.次に,開発キット付属のCD-ROMから,サンプル回路データを任意のディレクトリにコピーしておきます.
まず,新規のプロジェクトを作成し,プロジェクトにソース・コードを追加します.ソース・コードは,Blinker.vhdとclk_divider.vhdです.
入出力ピン配置の定義もサンプルに用意されています.blinker.ucfです.ただし,キット付属のCD-ROMではなく,最新のWebPACK ISEを使用する場合は,バスのピンの定義をsp_a[0]からsp_a<0>というように変更する必要があるので,注意が必要です.
論理合成と配置配線を行った後,Complex PLDに回路データの書き込みを行います.
まずJTAGインターフェースとボードをケーブルで接続します.ボード側はバラの配線になっているので,ケーブルに表示されている名称がボードの端子と一致するように接続しなければなりません(写真3).注意が必要です.もう一方はパソコンに接続します.
ボード上にある電池ケースに電池をセットします(ACアダプタで動作させることも可能).ジャンパ・ピンJ2をBattery Enable,SW7をExternal Powerにセットし,用意は完了です.
WebPACK ISEのプログラミング・ツール(iMPCT)を使って回路データをComplex PLDに転送します.
〔写真3〕パソコンと評価ボードの接続