Springboard Development Kit ――開発ツール・レビュー
COLUMN 3 PalmSource Japan 2002
2002年3月28日~29日に,PalmOSの開発者会議が赤坂プリンスホテル(東京都千代田区)で開かれました.PalmSource社CEOのDavid Nagel氏をはじめ,PalmOSの開発に携わる数々のエンジニアが一堂に集まりました.
メイン・テーマは,2002年夏から秋にかけてリリースされる予定になっているPalmOS 5です(図A).PalmOS 5のもっとも大きな変更はプラットホームが68KからARMに変わるというものです.ARMプロセッサの採用に伴い,グラフィックスやサウンドなどが強化されます.操作性などはほとんど変わりません.
すでに評価ボードでは動作しています.併設の展示会場では,米国Texas Instruments社と米国Motorola社の評価ボードが展示されていました(写真B,写真C).コンファレンスでは米国Intel社の評価ボードも紹介されました(写真D).
ARMプロセッサの採用で,アプリケーションの動作は,現在の数倍から数十倍も高速になると期待できるようです.これにより,従来PalmOSが苦手としていたビデオや音楽,インターネット・ブラウジングなどの分野まで,幅を広げそうです.もちろん,ARMネイティブのアプリケーションのみならず,これまで蓄積されてきた68Kのアプリケーションも,エミュレータ上で動作させることができるようになります.
〔図A〕PalmOS 5
〔写真B〕Texas Instruments社の評価ボード
〔写真C〕Motorola社の評価ボード
〔写真D〕 Intel社の評価ボード