Springboard Development Kit ――開発ツール・レビュー
COLUMN 2 Palm社の拡張方式
Visorは,Springboardという形で拡張スロットを使用したプラグ・アンド・プレイを実現しています.本家Palm社の製品でも,同様のしくみがあります.
●UCS(Universal Connector System)
Palm社のPDA「m505」などで採用されている方式です.
周辺機器が接続されたことを検知すると,RS-232-C経由で周辺機器からデバイスIDや機器の情報を吸い上げます.この情報に基づき,伝送速度などを変更して,その周辺機器用のアプリケーションをRS-232-C経由で自動的に本体に吸い上げ,実行します.これによりユーザは周辺機器用のアプリケーションを別途インストールしたりすることなく,周辺機器を接続することができます.この回路には,簡単なIDを送出するだけですむので,PICなどの1チップ・マイコンで実現することができます.
●ECS(Expansion Connector System)
これも,m505などで採用されている方式です.SDカードのスロットを利用したプラグ・アンド・プレイです.メモリはもちろんのこと,カメラやMP3プレーヤなど各種機器を接続することができます.そして,高速なデータ転送を実現できます.
本稿で取り上げた開発キットと同じようなEDKと呼ばれる開発キットがPalm社より発売されています(写真A).これを用いて簡単に実験,評価を行うことが可能です.また同キットを利用するコンテストなども開かれるそうなので,ぜひ,みなさんも参加してみてはいかがでしょうか.
〔写真A〕Palm用開発キットEDKのボード