2014年6月アーカイブ

つくる喜び、承認される喜び -- ワールドカップとハッカソン

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気がつけば2014年も後半戦に突入します。ワールドカップの日本代表はGL敗退ですが、少年サッカーからサッカーを楽しんできた私にとっては「日本代表、お疲れさまでした!」って気分です。結果などは賛否両論あるようですが、選手がサッカーを楽しんだのか?は疑問が残りますね。

さて、選手が楽しんだのか?について考えれば、エンジニアが仕事を楽しんだのか?といったところも考えないとなりません。プロフェッショナルとして考えれば、楽しむのではなく、結果がすべてだ!ってことになります。しかし、結果を出すには楽しまないと、いい結果がでないということも考えられます。楽しむというのは、練習やイメージした通りのプレーを、チームの仲間と協調し、納得ができるということでしょう。

ビジネスもサッカーも結果は、相手や環境に左右されるものだと思います。結果がでないときもあるのです(と自分にいいきかせるw)。だからこそ、いつものプレーができるように、いい状態、いい環境、いい雰囲気をキープしないとならないのです。これは日頃からの練習で技能として定着させること、チームの信頼関係を築き維持・向上させることなどが求められます。

サッカーでなくエンジニアをメインで考えると練習って限りなく少ないですよね。本番の仕事、毎日がワールドカップのように真剣勝負であり、その勝負を繰り返し技能を獲得している感じですよね。人材育成施策か自己啓発で勉強する機会があったとしても、その時間的な割合は本番に比べれば非常に少ないわけで。

 

今回、Blogで書きたいのは、2014上半期で多く参加したアイディアソンを含むハッカソンについてです。エンジニアが楽しみながら開発し、それをみんなが誉め称えることが、ハッカソンでは当たり前に行われているのです。ハッカソンに参加した経験が無い方でも、楽しく開発できることは想像できると思います。誉め称えるという表現がよいかは微妙ですが、ハッカソン参加者や関係者は、ハッカソンでつくられた作品の”いいところ”にフォーカスし誉めてくれます。”いいところ”に対して、さらにこういうことを盛り込むと、もっと面白いよね!というコメントも多いように感じます。さらに”いいところ”でないところに関しても、こうしたらもっとよくなるというコメントというか、問題解決に前向きなコメントが多いように感じるのです。

ハッカソンは、ビジネスに即直結するものでなく、納期やコスト、品質が問われるものではありません。だから楽しくつくることができるのでしょう。誉める、もしくは前向きな意見交換をすることは、ビジネス・納期・コスト・品質が影響するのでしょうか。 # QCDでなくBDCQになってる・・・

2014年上半期を振り返れば・・・ Yahoo! Japanさん主催のOpen Hack Day 2、世界銀行さんの防災減災ハッカソン、野村総研さんのHack For “Work Disign”、Mashup Awardsさんのハードウェアハッカソン。このようなハッカソンに協力させていただき、いろいろな方々と知り合うことができました。他にも勉強会やワークショップ、コンテストも関与しました。

大雪や大雨、土日対応など思い出しますが、一番印象に残るのは、つくることを楽しむ人たちに会えたこと、そしてその人たちの多くはいいところを見つけ伸ばすような発言が多かったことかもしれません。

マズローの欲求階層でいえば、承認欲求が上位層にあります。今のような時代、この承認欲求が満たされることは、モチベーションアップに大きく影響します。開発現場では、BDCQの要求が強く、カツカツした仕事をしないとならないことが多く、これとは異なる環境がハッカソン会場にはあるのかもしれません。10年以上前、社外の技術者コミュニティに参加したとき、愚痴に共感して、現状打破のために共にアクションする仲間を見つけたときを思い出しました。

現実逃避としてではなく、純粋につくることを楽しむ人たちと時間を共にすること。そして自分のいいところを見つけコメントしてくれる人たちと時間を共にすること。これは、エンジニアにとっていい時間であり、サッカー選手であれば、上手な人たちと練習を共にし、サッカーの楽しさを味わう時間といえるかもしれません。

これはハッカソンだけでなく、ロボコンにも共通することなので、これからはこのような有意義な練習の場を提供するように心がけていきたいと考えました。2014年下半期は、これを念頭におきつつ、自分も楽しみながらポジティブな発言や行動をこころがけます。

日本代表はいないけど、決勝トーナメントが始まります。楽しみですが、我々も楽しい仕事をしませう!