2012年6月アーカイブ

日本のソフトウェア開発でいいところ、ダメなところ

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 最近、デブサミ(Developers Summit)とか参加して感じたのですが、ソーシャル系企業の技術者はとても元気がいい。会社のビジネスも若く勢いがある感じが、そのまま技術者に転写されている感じもする。この技術者の方々は、それまでお堅い会社で旧態のソフトウェア開発をしていた方も多くいるようだ。

一方、組込みソフトウェアの世界に目を向けてみると、なんだか元気がない。ソーシャル系企業とは対象的に、製造業のビジネスが元気ないのが理由だろう。テレビや新聞では、毎日のように家電や自動車のビジネスに危うさを連呼しているから余計にそう感じてしまう。

組込みソフトウェア産業実態調査によれば、リーマンショック以降、組込みシステムの開発費は大幅にダウンしています。もちろん組込みソフトウェアに関しても連動しています。開発費の抑制は、製品や企業の競争力に大きな影響を与えるのは容易に想像できる。

2004年、経済産業省が組込みソフトウェア開発力強化を掲げ、各種取り組みを始めた。目的は、日本産業の強化には、製品の価値を決めるのは組込みソフトウェアであるとう考えに基づく。製品の価値は、機能と品質の両方であり、開発力強化は組込みソフトウェア開発の生産性を上げ、品質を作り込む施策を実施してきた。しかし現在の製品価値は、機能や品質よりも、製品やサービスのリードタイムを短くすることや、優れたデザインや体験(UXなど)が重視されている。

リードタイムを短くすることは、生産性やアジャイルなどの開発プロセスで実現される。優れたデザインや体験(UXなど)は、要求やビジネスアナリシス、デザイナーを含む開発チームビルディングで実現できる。これらはこれまでの組込みソフトウェア開発現場でも実施していることである。また組込みソフトウェア開発力強化の施策(情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センターなど)や、技術者のコミュニティによる勉強会をはじめとする各種取り組みでもレベルアップを図っている。
またこれは、組込みソフトウェア開発だけではなく、ITスキル標準(ITSS)やユーザスキル標準(UISS)が対象とするエンタープライズシステムの開発においても同様と考えます。
 
ビジネスはグローバル競争の激化で安泰できるものではないが、この状況を受入れつつ対応していかないとならない。ソフトウェア開発も同じである。雰囲気的な、根拠のない閉塞感にとらわれネガティブ思考で委縮するのは最も避けるべき行動です。日本のソフトウェア開発は、アメリカの発明・開発したものを使う事しかしていないと揶揄されながらも、高品質なソフトウェア開発を実現してきた実績があります。
 
今回、上記のような話を踏まえ、日本のソフトウェア開発でいいところ、ダメなところを考える機会を設けました。SESSAME(セサミ)という組込みソフトウェア開発の人材育成を考えるコミュニティと、QuaSTom(カスタム)という高品質なソフトウェア開発を考えるコミュニティが共催でセミナを開催します。上述のような話に興味がある方は御参加願います。
 
以下に告知ページがあります。
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◆SESSAME/QuaSTom共催セミナ―
   『変わらなくっちゃ。守らなくっちゃ。日本のソフトウェア開発と品質』
 
 
 
1.日時   2012年6月22日(金)13:00~18:00   ※受付開始12:30~
2.場所   東実年金会館(東京・日本橋浜町)4階大会議室
 ◆開会の挨拶       13:00-13:10
 ◆各団体の紹介     13:10-13:40
    SESSAME理事 / (株)アフレル 渡辺 登氏
    QuaSTom初代会長 / 日本電気(株) 樋口 潔氏
 ◆第1部:講演      13:40-15:40
『日本のソフトウェア開発と品質』(仮題)
名古屋大学 高田 広章氏
(株)日立ハイテクノロジーズ  飯泉 紀子氏
<<休憩>>
 ◆第2部:パネルディスカッション  16:00-17:45
  モデレータ: SESSAME理事 / (株)アフレル 渡辺 登氏
  パネリスト:
    名古屋大学  高田 広章氏
    (株)日立ハイテクノロジーズ  飯泉 紀子氏
    一般社団法人Open Embedded Software Foundation 満岡 秀一氏
 ◆クロージング  17:45-18:00
 
 ◆情報交換会(参加希望者) 18:30-20:30
  セミナー後、場所を移動(セミナー会場より徒歩5分程度)
    PIZZERIA boratorio 人形町店   http://r.gnavi.co.jp/e626601/
 
6.対象
 ・組込みソフトウェア管理者・技術者研究会(SESSAME)会員
 ・高品質ソフトウェア技術交流会(QuaSTom)会員
 ・ソフトウェア開発に携わる技術者・管理者の方(一般)
    ※どなたでも参加できます。
 
◆申込は上記URLからお願いします。
 
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「技術はいいけど、売り方が下手」・・・ 昔から言われることである。
最近では技術も心配されているが、どうなんだろうか? 一緒に考えませんか。
 

「今日から使えるアプリコンテスト」表彰式

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 今日は日本マイクロソフトさんの品川本社にお邪魔しています。

Digiさん主催の「今日から使えるアプリコンテスト」の審査結果発表中継に参加しています。

http://www.digi-intl.co.jp/campaign/contest/index.html

 

私がやっているDevice2Cloudコンテストにも関係するネタが多いと思い、見学がてら参戦です(笑)

面白い作品がありましたね~。具体的に何かは、後日Digiさんから発表される内容を見てください。

CQ出版賞やマイクロソフト賞もあって、受賞した方々、おめでとうございました!!

 

巷では、電子工作の世界がmakeやArudinoによって、一般の方にも楽しめる環境になってきてますよね。今回のアプリコンテストは、そんな中で立ち上がってきたコンテストです。一般の方の視線で「いいね」って言えるシステムやサービスが提供できるか否か。これは日本のメーカが求められている一番の事ですよね? メーカ出身としては、「○○さんは、いい品質のモノをつくるね」って言われるだけでなく、「いいとこ狙ったいいサービスだよねーぇ」って言われる製品やサービスを出したいですよね。

私はD2Cコンテストや今回の機会を応援・サポートすることで、存在理由を感じたいと思いました。原発や環境問題など、すぐに答えが出ないような現在。コンテストなど、若者を支援する環境の提供が、今の私にできる唯一のことですので。

 

そんなこんなで未来の日本を担う学生さん向けコンテスロD2C-3rd、参加申し込み受付中です。元気な学生のチャレンジをお待ちしています。

http://wwww.d2c-con.com.