組み込みシステム制約とそれに対するアプローチ ―― 模型ロケットに観測システムを組み込んだ「Hamana-5」プロジェクトに学ぶ
●チーム「両刀使い」のペイロード:コンセプトは「ミルフィーユ」
システム開発部門にエントリーした2チームは,打ち上げに用いるロケットとしてBabyBarthaという市販品を使用しました.40mmの内径にペイロード基板を搭載するために,各チームはペイロード基板の形状に工夫をこらしています.
チーム「両刀使い」は,円形の基板を何層も重ねたミルフィーユ構造を採用しました(写真6).実は,この構造は,Hamana-2のときから参加を続けているヴィッツならではの構造であり,3年間で蓄積したノウハウが生かされています.また,基板の製作においても「彫刻機」という,ほかのチームから見るとうらやましい機材を使用して基板を削り出しており,ユニバーサル基板では実現が困難な実装密度を実現しています(図6).
●チーム「TMR」のペイロード:ユニバーサル基板を四角く組む
チーム「TMR」は,CPU,加速度センサ,シリアル-USBコンバータの三つを,市販のモジュール基板を利用して作成しました.この3枚と電源を4枚のユニバーサル基板上に実装し,これらを四角柱の形状に組み立てて,40mm径の胴体に収められるサイズにしました(写真7).