組み込み分野における「マルチプロセッサ」とは ―― 多機能・低消費電力の要求にこたえるための技術的要素と課題
ひと言で「マルチプロセッサ」と言っても,ハードウェアやソフトウェアの構成などによって実現できる機能が異なる.また,マルチプロセッサ構成を採用すると性能の向上や消費電力の低減に効果があるが,その一方で,開発環境などの整備の点で課題が残っている.ここでは,こうしたマルチプロセッサの基本的な構成や利用のメリット,今後の課題について,とくに組み込み機器分野での利用を意識して解説する. (編集部)
近年,ゲーム機やパソコンなど,高い性能が要求される民生機器の分野において,「マルチプロセッサ」や「マルチコア(1チップ上に集積したマルチプロセッサ・システム)」ということばを耳にすることが増えました.携帯電話やカー・ナビゲーション・システムなどでもさらなる高性能化が求められており,マルチプロセッサに対する期待が高まってきています.ここでは,まずマルチプロセッサの概要を解説します.次に,マルチプロセッサを組み込み機器分野で適用する際の課題と展望を説明します.