TCP/IPプロトコル・スタックの省メモリ開発事例(前編)  ――ミドルウェアの追加で既存の16ビット・マイコンがネット対応マイコンに変身

浅井 敬,佐藤 剛,坂本直史

tag: 組み込み

技術解説 2004年12月16日

● 目標はROM64Kバイト,RAM8Kバイト

 開発に先立ち,既存のTCP/IPプロトコル・スタックについて調査を行いました(表1).FreeBSD版のTCP/IPプロトコル・スタックは,ほぼすべてのTCP/IPの機能を備えており注1,信頼性に定評があります.しかし,16ビット・マイコン向けとしてはROM使用量(コード量)もRAM使用量も大きいのが問題です.

 開発ツール・ベンダなども組み込みマイコン向けのTCP /IPプロトコル・スタックを提供していますが,これらも32ビット・クラスの高機能マイコン向けであり,フルスペックに近いものが多く,FreeBSD版の場合と同じようにメモリ使用量が問題となります.

 注1;RFC(Request for Comments)の要件をすべて満たしているわけではない.独自の判断により,あえてRFCとは異なる実装になっている部分もある.WindowsのTCP/IPの実装はFreeBSD版とまた少し異なっており,RFCのオリジナルの仕様も含めたそれぞれの仕様の是非について,議論が絶えないところである.

表1 既存のTCP/IPプロトコル・スタックの比較例

  FreeBSD版* ツール・ベンダ製 フリー・ライセンス
ROM使用量 (バイト) 180K 数十K~数百K 18K
RAM使用量 (バイト) 580K 数K~数百K 2.5K
機能 フルスペック ほぼフルスペック 機能制限が多い

*FreeBSD版のTCP/IPプロトコル・スタックを組み込みマイコン向けに移植したもので比較した.

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