高速シリアル通信プロトコルSerialLite ――オープン・ソースでコンパクトなプロトコル
静止画の伝送―SerialLiteの活用例
SerialLiteは,多くのアプリケーションに適用できますが,昨今のアプリケーションは複雑かつ専門化されています.アプリケーションの中でどのようにSerialLiteを活用するかを説明するために,わかりやすい例として静止画の伝送を取り上げます.
このシステムは,複数のカメラからのRAWイメージ・ファイルを取り込み,表示用ボードに伝送します.16台のカメラが,異なるバッファに画像データを保存します.多重通信のチャネルを使い,画像データ・ファイルを一方のバッファからもう一方のバッファへ送ります.カメラはオフラインになったりオンラインになったりするので,プライオリティ・パケットを使ってカメラの状態を表示用ボードに伝えます.
このシステム構成を図8に示します.
このアプリケーションでは,バッファのデータの移動を繰り返します.パケットの大きさには制限がなく,バッファごとに一つのパケットを使います.複数の小さなパケットへの分割は行いません.表示ボードは,バッファのデータをディスプレイで表示することを繰り返します.いつでも特定の画面に切り替えることができます.これはプライオリティ・パケットと逆方向のリンクを使って伝送します.メッセージの伝送を確実なものにするため,エラー・リトライを使用します.
図8 画像伝送システムのブロック図