ソフト・マクロのCPUを使おう! ――FPGAによるシステムLSI設計の意味
2.組み込みシステムにおけるCPU
組み込みシステムに搭載するCPUとしては,従来から半導体メーカが汎用品として発売しているマイコンが使われてきました.米国Intel社の8051,米国Zilog社のZ80,米国Motorola社の6800/68000ファミリ,ルネサステクノロジのSHなどが代表的です.また半導体製造技術の進歩により,数年前からは大量生産製品向けにCPUコアを搭載したASICが開発されるようになりました.これには英国ARM社などのCPUコアが使われています.そしてここに,FPGA向けのソフト・マクロのCPUが名乗りを上げたのです(表2).
〔表2〕マイコン採用時の検討項目
項 目
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汎用のマイコン
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CPU搭載ASIC
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FPGA+CPUコア
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処理性能 |
◎
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◎
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○
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システムの柔軟性 |
△
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○
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◎
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アップグレードの容易性 |
○
|
○
|
◎
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アーキテクチャの寿命 |
△
|
△
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◎
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内蔵メモリ |
◎
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◎
|
△
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評価環境 |
ある
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一般にはない
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ある
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開発費 |
◎
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△
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◎(○注)
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デバイス単価 |
数百円~数千円
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数百円~数千円
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数百円~数十万円
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◎は有利,○はやや有利,△は不利
注;FPGAと機能的に等価なASICを開発する場合