ソフト・マクロのCPUを使おう! ――FPGAによるシステムLSI設計の意味
1.組み込みシステムのハードウェア
まず最初に,CPUがいちばん適用されるだろうと予想される組み込みシステムを考えてみましょう.図1に標準的な組み込みシステムの構成例を示します.
最近の組み込みシステムは単独で動くことはなく,LAN(local area network)に代表される通信インフラを介して外部のシステムに接続され,コマンドやデータをやりとりしながらセンサやメカなどの外部機器とのインターフェースをとるのが一般的です.それを実現するため,機器内部にはCPU,ROM,RAM,外部I/O,通信用インターフェース,アプリケーションなどの専用回路が必要に応じて組み込まれます.
このような組み込みシステムに求められる仕様を表1に示します.
〔図1〕標準的な組み込みシステムの例
CPU,ROM,RAM,外部I/O,通信用インターフェース,専用回路が組み込まれている.
〔表1〕組み込みシステムの要求仕様
項 目
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仕 様
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CPUの処理能力 | 数十~200MIPS程度 |
メモリ容量 | 目的によって必要容量が変わる |
I/O | アナログ/ディジタル入出力 |
通信インターフェース | RS-232-C,10M/100M Ethernet,USBなど |
専用回路 | CPUが介在できない機能を実装 (システム・エラー検出,フェイル・セーフなど) |