PCI-X 2.0の仕様概要と設計方針(後編) ――I/Oセルの設計とパッケージング
●カテゴリ1ドライバ・セルの設計上の注意点
VTERMが外部で生成される場合,ダイ(チップ)の電力消費を抑えるために,ダイやパッケージ,ボードのレイアウトの影響を検討してください(図5(c),(d)).ここでは,外部電源による電力のほかに,ドライブ状態のための電力について検討する必要があります.外部電源はつねにONになっているか,低電力状態のときにダイがディセーブルになるように制御しなければなりません.
VTERMを内部で生成する場合,ダイの新たな電力消費の影響を検討する必要があります.消費電力は,低電力状態のときに最小となります.
●PCI-X 2.0ではECCを用いる
PCI-X 2.0 モード2では,64ビット転送時に8ビットのECC(エラー訂正コード)が,また32ビット転送時に7ビットのECCが必要になります注3.PCI-X 2.0 モード1ではECCの使用はオプションですが,できれば使用したほうがよいでしょう.
ECCは非常に強力なエラー検出方式です.ECCは,複数ビット・エラーを検出し,シングル・ビット・エラーを訂正します.そして,どのフェーズでエラーが発生しているのかを特定することができます.共通クロックによる転送の場合,ECCはPCIパリティと同じように,試行的なデータ転送の後に1クロック・サイクルでバスを通過します.ソース同期クロックによる転送では,ECCはデータといっしょに転送されます.エラーを訂正できなかった場合は,PERR(PCIパリティ・エラー)を通知します.
表2にECCのためのピン割り当てを示します.
注3:バス幅がNビットの場合,ECCのビット数は次式で求められる.ECCのビット数=log2N+2.


〔図5〕カテゴリ1 I/Oセルのターミネーション
(c)はパッケージ接続を上から見た図である.(d)は電源接続を上から見た図である.
〔表2〕 ECCのピン割り当て
出典:PCI-X 2.0 60-day Review Draft, Table 9-42
| 信 号 | ピン割り当て | ピンがあらかじめ予約されているか? | 
| ECC[0] | PAR | NO | 
| ECC[1] | ACK64# | NO | 
| ECC[2] | Pin 14B | YES | 
| ECC[3] | Pin 11A | YES | 
| ECC[4] | Pin 10B | YES | 
| ECC[5] | Pin 9B | YES | 
| ECC[6] | REQ64# | NO | 
| ECC[7] | PAR64 | NO | 



















