PCI-X 2.0の仕様概要と設計方針(後編) ――I/Oセルの設計とパッケージング

Stillman Gates

tag: 組み込み 実装

技術解説 2002年9月17日

2)カテゴリ2 I/O セル

 「カテゴリ2 I/Oセル」は,共通クロック・データ転送モードでのみ動作する信号(プロトコル制御用信号FRAME#,IRDY#など)に適用されます.カテゴリ2 I/Oセルの例として,クロック・レシーバが挙げられます.クロック・レシーバは単なる受信回路であり,駆動回路は含まれていません.また,クロック・レシーバのI/Oセルには,ノイズ除去のための特別な処理が必要です.

 図3(a)に,PLLのジッタを最小にするクロック・レシーバ・セルの設計例を示します.クロック・レシーバ・セルでは,外部のクロック信号を内部のコアに送る際にジッタが発生しないようにしなければなりません.ジッタは,セルの電源やグラウンドのノイズが原因となって発生します.この対策としては,電源とグラウンドの外部との接続を独立させ,ノイズを抑制するフィルタを入れます.

 また,目的に応じて「to PLL」と「bypass PLL」の二つの出力を使い分けています.「to PLL」において,PLLのタイミング・ループ内の素子を最小限に抑えたところ,出力クロックのジッタは最小になりました.このとき,レシーバ出力はPLLのリファレンス入力にのみ接続されていることが前提となります.一方,「bypass PLL」出力は,PLLが使用されていないときに使われます.例えばPCI 33やPCI 66として使用するとき,あるいは実装前のダイ・テストなどがそのケースにあてはまります.

 また,クロック・レシーバ・セルは,信号パッドのすぐ近くに配置する必要があります(図3(b)).ここでVREFは,PCI-X 2.0で新しく導入されたスレッショルド電圧であることに注意してください.

f03_01.gif
〔図3〕 クロック・レシーバ ・セル
PLLのジッタを最小にするクロック・レシーバ・セルの設計例を示す.(a)には,目的に応じて「to PLL」と「bypass PLL」を使い分ける二つの出力を示している.

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日