PCI-X 2.0の仕様概要と設計方針(後編) ――I/Oセルの設計とパッケージング
最後に,パッケージにはワイヤ・ボンディング実装よりもフリップチップ実装を使用することを検討してください.図6から,ワイヤ・ボンディング実装では,配線長や配線間隔がさまざまであることがわかります.ワイヤ・ボンディング実装は,データ転送速度が遅いときには問題ないのですが,ときに予測できないようなインピーダンスやクロストークのトラブルを引き起こします.したがって,量産を計画している場合には利用しないほうが賢明です.
忘れてはならないのは,PCI-X 2.0のデータ転送速度は非常に高速であるため,送信側から受信側まですべての信号長がそろっていなければならないことです.これはストローブ信号線に大きな負担を強いることになります.このため,慎重を期すためにデータ信号を遅延させる必要があります.また,一つのデータ・グループに対して割り当てられた全信号にストローブ信号が分配されなければなりません(図7).
〔図6〕ワイヤ・ボンディング実装とフリップチップ実装
PCI-X 2.0のパッケージでは,ワイヤ・ボンディング実装よりもむしろフリップチップ実装を使用するのが望ましい.ワイヤ・ボンディング実装では,さまざまな配線長や配線間隔が存在する.
〔図7〕同期データ・グループの相互接続
一つのデータ・グループに対して割り当てられた全信号にストローブ信号が分配されなければならない.